
石垣市ナナサンマル交差点前のヤエヤマヤシ
このように街路樹や景観木としてヤエヤマヤシは活用されています。
でもせっかくの緑の風景も選挙のポスターで台無しですね。。。

デイゴ
真っ赤な花が空に映えて美しい。さすが沖縄三大名花の一つです

名護市のガジュマル
ヒンプンガジュマルと呼ばれています。ヒンプンは門と家屋の間に設置する目隠しのことで、これにより屋敷内の「気」が外に漏れるのを防ぐ意味があります。

備瀬の集落の風景です
道沿いの緑は全てフクギです。
このフクギの裏側に家々がたっているのです。
集落の道を歩くとまるでフクギの森の中を歩いているようです。

石垣島白保の集落のなかにある伝統的な形態を今に伝える家屋です。
背後に見える緑がフクギです。
このフクギが家の四方を囲っていたようです。

石垣島川平でみたフクギです
かつての屋敷林の名残です。ところどころにこのようなフクギが残り、印象的な風景を形成しています。
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■沖縄の代表する木といったら?
日本唯一の亜熱帯性気候である沖縄では、本土で見られない印象深い緑に出会えるけど、「沖縄を代表する木」、あるいは「八重山を代表する木」といったら何だろう?
「八重山を代表する木」であれば、「ヤエヤマヤシ」が最有力候補かもしれない。
ヤシは南国をイメージさせる樹木の最たるものであることに加えて、なんてったって、「ヤエヤマヤシ」は世界中で石垣島と西表島にしか自生せず、かつ1属1種のワン・アンド・オンリーな樹木なのだ。
自然に生えているばかりでなく、公園樹や街路樹にも使われていて、まさに八重山を代表する緑の風景をあちらこちらで創出している。
じゃあ、「沖縄を代表とする木」になると何だろう?
春先の真っ赤な花が印象的な沖縄三大名花の一つである「デイゴ」?
精霊:キジムナーァが宿るといわれるガジュマル?
沖縄のあちこちに銘木があるコバテイシ(モモタマナ)?
生垣の定番ハイビスカス(アカバナァ)?
人によっていろんな意見があると思うけど、僕は、「フクギ」を押したいなぁ。
■沖縄の家並みと深い関わりのあるフクギ
フクギは、空に突き上げるように高く、真っ直ぐに樹冠が伸び、その樹冠には厚く、幅広い濃緑色の葉が、鎧のようにびっしりとつく。
濃い緑が、伝統的な赤瓦の屋根や南国特有の強い陽射しと濃い青空に実に映える。
このフクギは沖縄では古くから集落や家の周りに積極的に植えられてきたという。
沖縄に古くからある風水と結びついた思想に「抱護」がある。
「抱護」とは、「気が散逸しないように風水地形の周囲が山々や樹木で囲まれている状態」のことをいう。
例えば、山原の集落が、「腰当森」と呼ばれる森に囲まれるように立地しているのがその典型だ。
同様に、集落内の屋敷を抱護するように、各屋敷を取り囲む屋敷林が植えられた。フクギは、この屋敷を抱護するための樹木として、沖縄中で広く用いられてきたのだ。
「気を散逸させない」ために植えられたフクギの屋敷林は、台風のような強風や風にのって運ばれる塩から家々を守り、また、その日陰により強烈な陽射しを和らげ、暑さを緩和する。
つまり、風水の思想に基づいた「抱護」は、実は、現代でもとても機能的な意味をもつものでもあるのだ。
以前は、各家が、フクギの緑で四方を覆われ、フクギの森の中に家並みがあるのが、沖縄の一つの原風景だったという。
■フクギの風景を訪ねてみる
そんな原風景に触れてみたくて、古の姿をよく残すことで知られる、本島本部町の備瀬の集落を訪ねてみたことがある。
どの家も天高く伸びるフクギに囲まれ、濃緑の中に生活空間があった。そして、そのフクギのおかげで、強い陽射しのもとでも、集落の中はひんやりとする。
光と影と風を強く意識した空間だった。
僕がダイビングで訪れる川平の集落では、屋敷林として家を囲むように植えられたフクギの姿は殆どみることができない。
それでも、畑の廻りや、敷地の境にはフクギの並木が残り、今でも、集落の風景を特徴づける緑の一つとなっている。
強烈な陽射しに鮮やかに映える緑。伝統的な風水思想を体現してきた緑。防風林や屋敷林として今でも機能する緑。
このような多面的な意味あいをもつとともに、フクギはとても丈夫で潮風に負けたりしないし、病虫害もまず発生しない。
そんなフクギを、「沖縄の代表する木」に相応しいと思うのは、きっと僕だけじゃあるまい。
(参考文献)
- 沖縄の都市緑化植物図鑑 建設省土木研究所 沖縄出版
- 沖縄を知る辞典 同編集員会 日外アソシエーツ
- 図説集落 日本建築学会 都市文化社
- 沖縄の風水 中村誠司 HP
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